連載
萱間真美の「この2か月」+「働きママン」・8
萱間 真美
1
1聖路加看護大学精神看護学
pp.125-130
発行日 2011年5月15日
Published Date 2011/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689100870
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災害・事故のあとに役立つ心の手当て集――看護師として、親として
このたびの東日本大震災で被害に遭われた皆様に、心からお見舞いを申し上げます。私は千葉県市川市で研究会議中に、震度5弱の揺れに遭いました。古い建物で震度5弱の揺れは大きく、会議メンバーのなかに阪神・淡路大震災を経験した人がいたこともあり、5階の会議室から直ちに階段を使って1階ロビーまで避難しました。シャンデリアのガラスがぶつかり合って非常ベルのように鳴っていたことを今でも恐怖とともに思い出します。JRはその時点ですべて止まってしまいました。
幼い子どもを遠方に預けていた人もおり、会議は解散となり、乗り合わせて都内に戻ろうと、駅前でタクシーの列に急いで並びましたが、列が長くて到底乗れそうにありません。そのとき大きな余震が来て、悲鳴とともに皆が駅前のロータリーに走り、真ん中でうずくまりました。私はそのままタクシーの列に並んでいたので(怖くて走る気にもならず)、みんながいなくなったために、とにかく帰ろうと他の研究メンバーと4人でタクシーに乗り、都内まで比較的早く戻ることができました。寒さもありましたが、ずっと体の震えが止まりませんでした。被害の程度は首都圏でも差がありましたが、東北地方では信じられないほど多くの方が亡くなり、また日常を失われ、原発の事故の影響、停電や節電などの影響は今も続いています。
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