連載 木下孝一の主観DEニュース・1【新連載】
特定看護師導入の議論/自殺とうつの経済損失/介護職員等に一部の医療行為(吸引)を解禁
木下 孝一
1
1(株)バグネット医療介護支援室
pp.131-133
発行日 2011年5月15日
Published Date 2011/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689100871
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高度な医療行為できる看護師資格新設へ厚労省が素案(2010年2月18日 朝日新聞)
昨年3月、厚生労働省のチーム医療の推進に関する検討会で報告書のなかに、一定の医学的教育・実務経験を前提に、専門的な臨床実践能力を有する看護師(以下「特定看護師」(仮称))の法制化への提言が盛り込まれました。
特定看護師導入の背景には、近年の医師不足の深刻化のなかで、医師に代わって軽い怪我や風邪などの簡単な初期診療、医薬品の処方、検査のオーダーを看護師に担わせようとする考えがあります。これはアメリカで45年ほど前に創設されたナースプラクティショナー(以下「NP」という)がモデルになっています。特定看護師は日本版NPと言われることがありますが、NPは医師の指示を受けずに診療行為をおこなうのに対して、特定看護師は医師の指示を受けて「診療の補助」行為をおこなうという点で、異なる性格があることを押さえておく必要があります。当初検討会でNP導入の議論もされたようですが、コンセンサスが得られにくいということで、まずは医師の指示を前提とした特定看護師の導入にとどめたようです。
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