FOCUS 発表者が救われる事例検討会にする!
➁ロールプレイング(他人を演じる経験)で看護の対応の幅を広げる
保美 文栄
1
1国立精神・神経センター国府台病院
pp.66-71
発行日 2005年9月1日
Published Date 2005/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689100146
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ロールプレイングの実際
精神疾患をもつ患者は、病気によって人間関係を円滑に運ぶことに障害を抱えている場合が多い。アンダーウッド*1は、患者の気持ちは入院しているがゆえに常に両価的であり、そのような状況のなかで患者-看護師関係を続けていくための努力は看護者側の責任であるとしている。
今回、ある事例の場面をロールプレイで再現しようと思った。患者と母の面会時に筆者が介入した際、「母の肩ばかりもって」という患者の怒りの言葉が投げられた場面である。一体どのように振る舞えばよかったのかということが、心にひっかかり続けていた経験であった。当初は、母子間への介入の仕方に問題があると考えていたが、ロールプレイングをとおして別の考えにも至ることができたので、この経過を紹介する。
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