実践報告
生き生きとしたカンファレンスをめざして—ロールプレイングを取り入れて
末木 節子
1
1帝京高等看護学院
pp.684-686
発行日 1988年11月25日
Published Date 1988/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663908568
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
3年前に実習終了時のカンファレンスを検討した時,「学生の参加する意識が欠けているのではないか」という問題にぶつかった.カンファレンスの形態は,各グループにおける口頭発表をとっていた.この形態は発表者のみか,または発表時のグループのみが緊張し,他は自分とは関係ないというような傾向がみられた.それは発表される看護場面の状況が把握できないと,発表内容を共有することができないからではなかろうか.われわれ教員でも,グループごとの発表を聞いてすぐに全体の理解をするのは難しい.特に当学校は進学課程であり,看護業務経験者も約3/5はいる.また,衛生看護科から未経験のまま入学した者も,一度は患者に接している.従ってカンファレンスにおける場の共有がうまくゆけば,学生は自分の経験を重ねて考える効果的な機会ともなりうる.
そこで状況を理解できるカンファレンスをと検討した結果,現在の学生は視聴覚的なものに慣れているので,それを活用できる方法としてロールプレイングを取り入れた.取り入れる時期は,学生たちが日常生活の基本的な援助を,改めてその理由づけから再出発して実施・評価する基礎実習の終了時とした.
Copyright © 1988, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.