次号予告・編集後記

今回は緊急対応の特集。訪問看護師の思考過程そのものが描かれているようで、読むことで看護師の臨床判断の道筋を追体験できる形になっています。▶本特集を通し、看護師個人の臨床判断力もさることながら、ケアチームを調整する力も同等に重要であるのだとよく分かりました。看護師の臨床的な判断を、療養者への具体的なサポートとして成り立たせる。そのために、療養者本人や家族、ケアチームの力を借りたり、行動をそれとなく促したり、はたまた力が発揮できるよう環境を整えたり。あらゆるアプローチで調整を果たしているのだと気付かされます。こうしたことをケースごとに足し引きしながら行っているわけですから、現場の皆さんは本当に複雑な実践に取り組んでいらっしゃるんですね。あらためて驚きました。▶秋山正子さんの連載「在宅ケア　もっとやさしく、もっと自由に！」。こちらでは高齢化率100％＆医療資源の乏しい肝付町大浦地区での在宅看取り例が紹介されています。この事例は関係者への調整力こそがすべてみたいな話ですよね。工夫や仕掛け、段取りで、どのような地域であっても在宅看取り自体はできるんだ、というメッセージとしても受け取れます。…小池