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次号予告・編集後記
小池
pp.342
発行日 2022年7月15日
Published Date 2022/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688201886
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特集の事例では、訪問看護師が「自分からの質問」という形で、病院の医療者に問いを投げてその返答を受けるという一連を、患者・家族の目の前で行う姿が描かれています。この関わりが意識的に実践されている点に面白みを感じました。「あえて尋ねる」「あえて質問する」という行為がケアの端緒になるなんて。さらに問いの積み重ねが、ある事柄を個人に意識化させる意味を持っていたなんて、という驚きを伴う面白みです。事例がそうであったように、「問う訪問看護師」の存在が、硬直化した医療者—患者・家族の構造や認識を解体し、ケアする体制を組み直すことにつながっていくんだと学びました。▶秋山さんの連載「在宅ケア——もっとやさしく、もっと自由に!」では、長い月日にわたった関わりが紹介されています。そこでは、制度設計とともに歩んできたことも垣間見えます。そうか、実践者の試行錯誤が現在の仕組みを作ってきたんですよね。その意味では、HOUMONホットラインで紹介した一般社団法人Vehicle for Nursesの活動も、そういうものになるのではないでしょうか。実践者たちによる法人横断的なチャレンジは、きっと未来の仕組みを作るものになる。そう感じています。……小池
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