次号予告・編集後記

昨年末、家族に陽性者が出たことで、自宅軟禁的な生活を強いられました。外に出ず、ひと箇所にぎゅっと集っての暮らしは、普段から同居する家族にもかかわらず、いや、家族だからこそ、息が詰まるような感じがありました。家族ではない人に向けないであろう期待を、家族というだけで向けてしまい、しかしあえなく散る。それに摩耗する。そんなこともあったような……。家族とは難しいものです。▶自分が経験してきた家族を物差しに、「家族ってこういうものでしょう」と考えてしまいがちです。だからなのでしょう、特集内の実践報告のケースを読んだとき、「なんでそういう行動になってしまうのだろう？」と正直思ってしまいました。でも、執筆者の方々が示してくださったように、渡辺式を用いて距離をとって別アングルから状況を観察し直すと、不合理に思えた家族の言動にも納得がいくから不思議です。渡辺式の状況整理の方法論は、家族以外の関係性においても役立ちそうです。▶今号から新たにスタートする連載があります。暮らしの中の思いやモヤモヤに言葉を与えてくれるものになりそうです。…小池