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次号予告・編集後記
小林
,
小池
pp.670
発行日 2016年8月15日
Published Date 2016/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688200521
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今号の連載「終える命、つなぐ命」第17回のなかで國森康弘さんが、ナチスによるホロコーストの心理メカニズムを知るために1961年にイエール大学で行なわれた心理実験を紹介し、「平時には奥底に潜んでいる心の弱さや権威への服従心、弱者への残虐性が、環境や立場によって前面にせり出してくる」と書いています。
療養者本人に向き合わず漫然と行われる医療やケアの根底にもこのような心の奥底にある弱さが垣間見られる気がします。その弱さを払拭するためには、立ち止まって考え、働きかけ続けることが大切であると、今特集は教えてくれていると思いました。…小林
住み慣れた環境での生活を支援するために考えるべきは、食事と排泄の問題だ—。これはある訪問看護師さんの言。「食べる」「出す」は人にとって切り離せぬキーワードであり、支援においても欠かせぬ視点だという主旨でした。そんな排泄をテーマとしているのが本特集です。皆さんが試行錯誤し、支援を試みている途上にあるとわかります。漫然と行なわれるケア(ex.2〜3日排便がなければ即下剤)に疑問を呈す。そして利用者のことをもっと知ろうと働きかけ、よりよい手法があるのではないかと考える—。拝読して、実践者の姿勢に心打たれておりました。…小池
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