連載 ケアの質とスタッフ配置のための研究・6
[座談会]米国の「患者分類システム」を日本で試行した結果を見て
竹谷 美穂
1
,
住吉 蝶子
2
,
クリスティン チェイソン
3
,
スーザン グリサヴェッチ
3
,
テリー ウォッシュ
3
1厚生中央病院看護部
2札幌医科大学保健医療学部看護学科
3プロビデンス病院
pp.53-57
発行日 2001年1月10日
Published Date 2001/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686902306
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――看護婦の人員配置において,米国で使用されているQM社(Quadra Med社)のMedicus®患者分類システムを,日本の一般病院の一病棟(N病棟)で試行した結果(本誌10巻6号)について,現在,同じ患者分類システムを実際に使って毎日のスタッフ配置を決定している米国プロビデンス病院の関係者(看護職)にレポート(結果)を見てもらい,それについて意見をいただいた。なお,出席者は上記の通りであるが,座談会では,個々のお名前は省略させていただいた。
日本 まず,わたしたちの研究結果について,率直なご意見をおうかがいしたいと思います。
USA 日本の病院でMedicus®の患者分類システムを試みたという研究論文を読みました。まず思ったことは,この結果をみて,そのまま評価したり,日本に導入するということがどんなに難しいかということでした。この論文からみると,日本の患者さんの在院日数はとても長く,1人ひとりの患者さんのケアの度合いが24時間を通じてとても低い(表1)。本当にこんなに低いのでしょうか。老人層が多い結果となっているけれども,プロビデンス病院の同じような(老人の多い)病棟と比べてみると,うちのほうが重症度が高くなっています。ただ,試行したという病棟は45ベッドで,プロビデンス病院の場合は22ベッドと病棟のベッド数はとても少ないです。
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