連載 ケアの質とスタッフ配置のための研究・3
米国における患者分類システムの歴史的背景
住吉 蝶子
1
,
竹谷 美穂
2
,
山崎 慶子
3
1札幌医科大学保健医療学部看護学科
2厚生中央病院看護部
3東京女子医科大学病院看護部
pp.571-575
発行日 2000年7月10日
Published Date 2000/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686901241
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はじめに
看護管理者には,スタッフの配置と活用という大きな責任が両肩にいつもズッシリと食い込むようにのしかかっている。スタッフ配置において,患者のニーズに対応して必要な数を実現可能な範囲で調整することは当然であるが,同時に効果的で質の高いケアを行なうためのスタッフの数という面もなおざりにはできない。これらいくつかの条件の間でバランスを保ちながら,毎日スタッフ配置を行なっていくことは並大抵のことではない。その上可能な限り人的コストを抑え,患者の在院日数短縮という厳しい条件が重なったのが,今の医療界の現実である。
スタッフ配置の目標は,適切な看護者の数と看護者の種類(レベル)のミックスによる生産時間(看護ケア時間)が,的確に予想された患者ニーズとマッチすることにより,効率的で効果的な看護ケアを生み出すこと,とされている。実際には,いまだ効率的で効果的なスタッフ配置の方法や,最良のスケジュールの作成法などというものは存在していない。ただし,このような問題解決を助ける鍵を提供してくれるものはある。それが30年近くにわたり米国で使用されてきた患者分類システム(PCS)である。
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