看護管理 教育・研修・研究
婦長のリーダーシップに関するグループワーク法の有用性―患者カンファレンスの充実を求めて
柴田 明子
1
,
松平 牧子
1
,
南 昌代
1
,
高橋 和子
1
,
武田 節子
1
,
松林 富子
1
,
岩崎 春美
1
,
近田 育子
1
1国立金沢病院
pp.230-234
発行日 1994年5月15日
Published Date 1994/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686901907
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はじめに
看護における患者カンファレンスは,①スタッフの意思統一,②個々の患者に対するケア計画の統一,③チームメンバー間のコミュニケーションならびに活性化の場所として重要視されている1).当院看護部では,1990(平成2)年度から患者カンファレンスの充実をめざして,婦長全員が月1回グループワークを行ない,取り組んできた.
1990(平成2)年度は,婦長の患者カンファレンスの取り組みに関する意見や情報を交換しあった1).その成果を8か月後に,カンファレンスの質,婦長の姿勢,スタッフ姿勢について計16項目からなる評価表を作成し(表1),病棟婦長とスタッフがそれぞれについて評価した.その結果,カンファレンス全体の変化では63.4%に改善をみた.またカンファレンスの質では,短期目標,評価日,計画の実施などが改善された.さらにスタッフの評価では,婦長不在時の実施や少人数でのカンファレンスの実施,活発な意見交換などに改善をみた.婦長の評価では,スタッフへの声かけや婦長の意思表示が改善された.しかし,婦長のカンファレンス記録の点検やカンファレンスを行ないやすい業務計画,さらに看護の質の改善に関して問題が残った.
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