連載 はじめてのマネジメント学—できることから始めよう・Part 6
リーダーとしての振る舞い—求められるリーダーシップ
片岡 靖子
1
Yasuko KATAOKA
1
1久留米大学文学部社会福祉学科
pp.699-702
発行日 2020年6月15日
Published Date 2020/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551201946
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はじめに
「リーダー」と「リーダーシップ」は異なる.「リーダー」は,まとめ役である人であり,「リーダーシップ」は,集団であるフォロワーの心を1つにする働きかけであると言える.「リーダー」は1人では存在できない.「リーダー」に追随するフォロワーの存在と,リーダーとフォロワーとの良好な相互作用による「リーダーシップ」が発揮されることにより,「リーダー」が登場するのである.
繰り返すが,「リーダー」はまとめ役である人であり,「リーダーシップ」は集団であるフォロワーの心を1つにする働きかけであると言える.働きかけるという意味では,リーダーが存在しなくても,一定の集団のなかでリーダーシップが見出されることもある.
また,急激な医療情勢の変化に対応できる職場環境の変革,チーム医療,地域包括ケアの推進,突然発生する災害や感染症拡大時への対応,患者および家族の意思決定支援,治療方針の決定など,さまざまな場面でリーダーシップが求められている背景がある.
本稿で与えられたテーマは,「リーダーとしての振る舞い」である.そのため本稿では,リーダーシップ論を軸に,リーダーシップとは何か,リーダーシップとマネジメントの違い,さらに医療現場で必要とされるリーダーのスキルについての提示を試みる.また,リーダーシップは,組織の文化を形成するうえでも重要な役割を果たす点についても提示したい.
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