特集 どんな看護方式を選ぶ?
理念に合致した看護方式を求めて―看護部長としての構想と支援
一木 順子
1
1日本大学医学部附属板橋病院
pp.276-278
発行日 2002年4月10日
Published Date 2002/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686901608
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看護の質向上をめざして
私は,1994(平成6)年に当院の看護部長に就任した。当時は,医療を取り巻く環境が大きく変化し,看護の質向上がかなり厳しく追求され始めた時期である。そのような中で,これだけの大きな病院を動かしていくためには,多くの改革・改善が必要であると感じた。
改革・改善したい部分を挙げてみたところ,看護基準の見直し,めざす看護を提供できる看護方式の検討,看護記録の評価・検証,クリニカルパス導入の検討,事故防止や感染対策などの安全対策,クリニカルラダーなど個別の実践能力と教育とのタイアップ,倫理,そして行なっている看護を評価するための職員評価・患者評価と多岐にわたった。これらは,質改善に向けてどれも重要な課題だったので,すべてを同時進行することにした。
準備期間を経て,1997~1998年にかけて各委員会を立ち上げ,委員会活動を開始した。各委員会の委員長は婦長とし,メンバーは婦長と婦長補佐,主任で構成することとした。委員長を婦長にすることで,各委員会の進捗状況を婦長会で確認できるようにし,一歩一歩着実に歩み続けてきた。いちばん大変だったのは各病棟,つまり現場であろう。委員会のメンバーは,自分の担当する部分だけに集中すればよいが,病棟のスタッフは全部に取り組まなければならないからだ。
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