特集 どんな看護方式を選ぶ?
どんな方式であれ,めざすのは安全・安楽の提供
村上 美好
1
1済生会横浜市南部病院
pp.279-282
発行日 2002年4月10日
Published Date 2002/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686901609
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はじめに
1996(平成8)年,私が看護部長になったとき,当院では日替わりチームナーシングを行なっていました。この方式は看護師と患者の関係が一定していないので,看護師自身も満足しない,患者さんも「私の看護婦さんって誰なんだろう」というようなことが起こっていたのです。それで固定チームナーシングや受け持ち制の導入を考えました。そのときに,それぞれの看護方式がどういう経緯で生まれてきたのか,各看護方式の特徴,利点と欠点は何かと検討しました。
看護方式の検討は,どのように看護師を組織化すれば患者さんへ安全で安楽なケアができるのか,患者さんが満足し,私たちも納得できるかを考えるということです。機能別から受け持ちへ,受け持ちからプライマリーナーシングへという流れをたどっているように見えても,だからといって新しいものに飛びつくべきではありません。たとえアメリカから輸入したプライマリーナーシングの概念がいくら素晴らしくても,アメリカと日本では看護を取り巻く状況はあまりにも違いすぎるから,そのまま取り入れることは不可能です。ですから,日本ではモジュール型などの工夫が生まれるわけです。オリジナルの看護方式の本質を読み取って,どうすればその利点をうまいぐあいに自分の組織へ活かせるかと考える。その過程でいろいろなアレンジが出てくることは当然だと思います。
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