特集 職場運営の悩み人間関係マネジメント
看護師のストレスとメンタルヘルスケア―看護管理者に求められること
堀川 直史
1
1東京女子医科大学精神医学教室
pp.938-941
発行日 2002年12月10日
Published Date 2002/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686901559
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はじめに
病院に勤務する人は,職種を問わず,強いストレス因子に曝されている。さまざまなストレス反応が起こる危険性が高く,適切なメンタルヘルスケアの実行は重要な課題である。それにもかかわらず,病院におけるメンタルヘルスケアは,そのほかの企業や職業に比較しても,むしろ軽視されているように感じられる。これには,いくつかの理由が考えられる。たとえば,医療者の仕事は人にケアを提供することであり,自分自身がケアを受けることに思い至らない,またはケアを受けることを潔しとしない。あるいは,一部の医療者に,心理面の問題や精神疾患,そして精神科医療に対するネガティブな考え方が現在も根強く残っている,などである。
ここでは,筆者がリエゾン精神科医としていくつかの病院で職員のメンタルヘルスケアに関わってきた経験から,看護師のストレスとメンタルヘルスケア,それに関わる看護管理者の役割,そして看護管理者自身のメンタルヘルスの問題について述べることにしたい。
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