特集 看護現場のストレスマネジメント考
職場環境の活性化をめざして
看護職のストレスを克服するための視点―そのために看護管理者に求められるものとは
久保田 聰美
1
1高知女子大学大学院健康生活科学研究科・前近森会近森病院外来看護部
pp.360-364
発行日 2006年5月10日
Published Date 2006/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686100070
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期待と不安を胸にした多くの新人看護師を迎えるこの時期,医療現場では新人研修・教育に追われる日々である。特に今年度は診療報酬改定の影響から,急性期病院では例年以上の新人を迎えた病院も多いのではないだろうか。しかし,こうした新人を迎える現場に目を向けると「(このなかから)いったい何人残ってくれるだろうか」というのが正直な思いである。それは,日本看護協会の実態調査においても,新卒看護職員1年以内の離職率8.5%(2003)であり,その数も年々増加傾向にあるという現実的な数字として表われている。
患者が医療者に向ける目は厳しい。相次ぐ医療事故の報道もあいまって,ちょっとしたミスも見逃さないと目を光らせている。そうしたなかでは,患者との信頼関係はできにくく,どんどん悪循環に陥っている。24時間常に患者のそばで医療サービスを提供する看護職を襲うストレス要因は増える一方であり,その結果バーンアウトしてしまう看護職や自分自身を守るために離職を選択する看護職は,なにも新人スタッフに限ったことではない。こうした離職者の声は,時として医療現場からの悲鳴に聴こえる。
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