特集 看護学生のこころの問題を探る
看護学生のメンタルヘルス―看護教育の特殊性と学生のストレス
東 雄司
1,2
1和歌山県立医科大学精神医学
2和歌山県立高等看護学院
pp.454-458
発行日 1991年8月25日
Published Date 1991/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663900237
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私が3年前から学院長を併任している和歌山県立高等看護学院は,看護婦養成3年課程と同2年課程(定時制),それに保健婦養成課程,助産婦養成課程(それぞれ1年課程)の,平成2年度末では計244名が在学している総合学院である.世間では看護婦不足の声が高まる中で,看護婦養成校に対する期待もまことに大きいものがある.しかしながら,学生たちの中には,毎年のように入学前に抱いていた学校への思惑に反したのか,挫折感からか,中途退学するものや,学業についていけず,卒業延期になるものがいる.ストレスに関連したうつ病など,危機的状況に陥る学生にたいしては,精神科医でもある私の出番も少なくない.
一般の大学では,健康管理センターなどが設置され,学生の心の問題にも対応しているが,専修学校である看護婦養成校で学ぶ学生についても,こうした配慮をすべきではないかと感じる.ただし,ここで私が述べようとしているのは,和歌山県立高等看護学院の学生に限っての感想であり,別のカリキュラムに従って教育が進められている短大,あるいは4年制大学での事情については私は知らない.
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