特集 新しい時代の新人教育システム
エルダー支援システム―チームで新人を育てる風土を創る
川瀬 初江
1
,
山本 喜美江
1
1鳥取赤十字病院看護部
pp.189-195
発行日 2001年3月10日
Published Date 2001/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686901380
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はじめに
当院の新人教育体制は,マンツーマン方式で新人を育成するエルダー制を1989(平成元)年から取り入れている。看護学校のカリキュラムの変化,若者の気質の変化等で,新人教育に1年間かかわるエルダーの役割と責任が年々増大してきている。にもかかわらず,新人が失敗をすると,エルダーの責任が問われる風潮が当院にもあり,エルダーの心身の負担が大きいこと,エルダー間の交流の場や集合教育の機会がないこと等が問題として挙げられた。
そこで,1997(平成9)年度から継続教育委員会の中に,エルダー対象の集合教育の場であるエルダー会を発足させ,エルダーが新人教育に意欲をもち役割が発揮できるよう,エルダー支援システムを強化した。エルダー会発足後,3か年の活動成果として,セクション共通の「エルダーマニュアル」,各セクションの「新人指導マニュアル」が,年々整備されて充実してきた。そして,新人の現場教育の場として重要なそれぞれの現場で,エルダーがリーダーシップを発揮できるようになった。病棟チーム会からのエルダーへの支援も高まり,チーム全体で新人を育てる風土が定着してきた。
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