発言あり
日本の風土
長尾 立子
1
,
増田 進
2
,
村上 茂樹
3
1前厚生省社会局
2沢内村国民健康保健沢内病院
3茨城県衛生部保健予防課
pp.589-591
発行日 1991年9月15日
Published Date 1991/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401900411
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「フィランソロピー」
わが国民は,流行語が好きだけれど,最近の流行語はメセナとフィランソロピーだそうである.いずれも舌を噛みそうな,耳慣れない言葉だが,企業の社会的貢献が,このように多くの人々の関心を呼ぶようになって来たことは喜ばしい.
企業の社会的貢献というと,1%クラブや6冠イベントのように,企業利益の一部を,社会福祉や保健・医療の分野に寄付をしていただく形のものを思い浮かべがちである.しかし,このフィランソロピー活動は,もう少し積極的な意味を持つもののようである.われわれ個人が,医師であったり,弁護士であったり,商社の社員であったりと,その本業の上で,社会的に有用な活動をする面ともう一つ,地域社会での一員として,子供会活動に参加したり,街のお祭りの企画に加わったりという,市民としての面を持つように,企業もまた,良き企業市民として,企業が属する社会の一員としての活動を持たねばならないという理念に基づくものである.
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