特集 卒前,卒後の教育をつなぐ
コラム:当院における新人教育と生涯教育:そして組織風土の醸成
西濱 美絵
1
,
小坂 美江
1
,
坂田 昌子
1
,
宮田 由美
1
,
今若 康久
1
1しげい病院
pp.1040-1042
発行日 2023年8月15日
Published Date 2023/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001203505
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はじめに
2020年度の入学生から臨床実習指導者の要件が厳格化され,経験年数が5年以上,臨床実習指導者講習の受講が必須1)となり,卒前教育が充実するはずであった.しかし,2020年(令和2年)からのCOVID-19流行後は臨床実習が十分行えず2),学内実習以外の経験がほぼない状態で配属された新卒者が多く,卒後教育の重要性が報告3,4)されている.当院でも同様であり,実技を指導し,監視下で行うことがしばらく必要で,卒後教育の重要性を強く感じている.
2007年(平成19年)に「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)憲章」が策定されて以来,今ではその概念が一般的となった.日本作業療法士協会(以下,OT協会)会員の61.2%が女性であり,結婚・出産・育児とライフステージが大きく変わることがある一方,男性の育児休業を促進する育児・介護休業法が2022年(令和4年)4月から段階的に施行され,男女問わずワーク・ライフ・バランスが重要となっている.
そのような中で,新卒者を対象とした卒後教育,その後の継続した教育・研鑽を,ワーク・ライフ・バランスも大切にしながら,職場としてどのように後押ししてよいか管理者として頭を悩ませることも多い.専門職として持続可能な教育・研鑽ができるように試行錯誤している現状を紹介したい.
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