連載 ケアギビングのためのリーダーシップ・12【最終回】
困難とリーダーシップ
穀山 聰子
1
1愛媛大学医学部看護学科
pp.1005-1009
発行日 2001年12月10日
Published Date 2001/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686901343
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はじめに
リーダーシップは人の感情を揺り動かす。リーダーは入々の価値観,姿勢,行動に変化を起こそうとする。変化が必要な状況で,人々はリーダーと思う人に希望を託す。答え,解決,指示を期待したりもする。リーダーは,自分の仕事をしながら,1人ひとりにその人の仕事を戻し,新しい価値観,姿勢,行動に適応できるように助ける。その過程で,ある人々の期待を裏切り,不満,怒り,喪失感を招く。リーダーは,人々の希望を受け止め,フラストレーションの受け皿となる。喜びを得,傷を負う。リーダーは,困難の中でも,希望を持ち続け,道を見失わず,入と共に,いまより高みに,いまより幸せになるために行動する。看護を含め,多くのリーダーたちの努力があって,私たちの現在がある。
本稿では,さまざまな社会状況,組織条件の中で,希望を持ち,困難を乗り越えたリーダーシップを例示し,その成功と避けられる失敗について考えたい。
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