連載 UIC大学院生通信―アメリカの看護教育・大学院生活・研究・10
リーダーシップについて
岸 利江子
1
1イリノイ大学シカゴ校看護学部博士課程
pp.454-455
発行日 2007年5月25日
Published Date 2007/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663100673
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UICの博士課程のカリキュラムでは,リーダーシップについての授業を必須でとることになっています。私は今学期,前学部長で,イリノイ大学の大学院全体組織の総長や,その研究部門の副総長を務められた経験もおもちのDr. Mi Ja Kimのインターナショナルリーダーシップという授業をとっています。シラバスによると,初めの2,3週ほどは世界の健康問題について国際的な動向を学び,その後6週ほど,いろいろなリーダーシップの理論やスキルを学びます。後半4週ほどは,女性の健康を解決するためのリーダーシップに焦点が当てられています。授業では,毎回社会や専門分野の最新情勢に敏感になるよう科学や社会の気になるニュースを持ち寄り,ディスカッションを行います。座長は学生がかわるがわる担当します。
この授業をとる前,私はリーダーシップについて誤った思い込みがありました。1つは,リーダーシップとはカリスマ性や人をひきつける魅力のように生まれもった能力だと思っていました。もう1つは,世の中にはリーダーになる少数の特別な人々と,そのリーダーについていく大多数の普通の人々の2種類があるのだと思っていました。現在この授業の前半が終わろうとしていますが,ここまでの授業を通して,リーダーシップの能力は自分の努力によって向上するものであること,すべての人がリーダーシップをもつ必要があるというように価値観が変化しつつあります。
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