連載 看護アセスメントの生理学的検証・4
食事摂取に伴う循環動態の評価―(その1)研究の概要
齋藤 やよい
1
1千葉大学看護学部附属看護実践研究指導センター
pp.302-309
発行日 1997年4月10日
Published Date 1997/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686900634
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循環動態の評価における心エコー法活用の意義
日常生活動作が循環系に及ぼす影響をアセスメントする時,私たちは,脈拍,呼吸,血圧,心電図などの客観的な情報を活用しながら判断している.これらを用いれば,単独の尺度でも,歩行や身体運動,努責(Valsalva呼吸)を伴う排泄,温度注1)や水圧注1)などの物理的刺激が加わる入浴などによる心負荷の程度をアセスメントできる.
しかし,エネルギー代謝率の低い動作の場合,心拍数や血圧の変化がわずかであるために,負荷の程度をアセスメントしようとしても,生理的変化なのか,負荷によるものなのかを判別しにくいことがある.このような時は,まずダブルプロダクト(Rate Pressure Product:RPP=収縮期血圧×心拍数)を活用し,心筋酸素消費量を算出すると,1つの尺度ではわからなかった変化が明らかになることがある.しかし,それでも変化がなく,しかも何となく「おかしい」という感じが残る時には,他の尺度の活用も検討すべきであろう.
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