連載 座談会シリーズ 看護実践における倫理性・1【新連載】
NICU領域
人との関わりを倫理的に考えるスタッフを育てる
入江 暁子
1
,
平山 美子
2
,
横尾 京子
3
1北里大学病院新生児未熟児室
2聖隷浜松病院新生児未熟児センター
3広島大学医学部保健学科
pp.746-753
発行日 1997年10月10日
Published Date 1997/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686900560
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近年,医療をめぐる状況は大きく変化し,さまざまな課題を医療者に投げかけています.その1つに医療の場における倫理的問題があります,背景には医療技術の進歩,疾病構造の変化,パターナリズムの崩壊などがあり,医療者は人々のいのちに長く深い関わりをもち,人々の多様な考え,価値観に向き合わざるを得ない状況があります.特に看護婦は,患者に一番近いところで,倫理的問題に遭遇し,意思決定に際してジレンマに陥ることが多いのではないでしょうか.時としてスタッフ間ばかりでなく,患者・家族間の対立さえ起こる状況もあるといいます.倫理的問題には,それに関わる人々の認識と分析,論議なしには対応することは難しく,また完壁に倫理的であることは困難かもしれません.
本誌では,この課題に対して手がかりを得たいと,今月号より隔月の予定で領域別座談会シリーズを企画しました.現場で実際にどのような倫理的問題が起きているのか,どう対応しているのか,結果はどうだったのか,また管理の視点でスタッフにどう教育すればよいのか―生命倫理ばかりでなく,日常の看護の中に起きている倫理的問題についても語っていただきます.それぞれの領域特有の倫理的問題を考え,そこで働くナースの悩みや苦しみ,喜びを,領域を越えて共有したいと思います.(本誌編集室)
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