特集1 病院の倫理リーダー養成講座
―第1講―医療現場における倫理と法について考える―倫理リーダーを育てる
稲葉 一人
1,2
1中京大学法科大学院
2久留米大学医学部
pp.16-19
発行日 2013年1月10日
Published Date 2013/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686102662
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
倫理リーダーとは
本講座(セコム提携病院で開催)は,「座学」として,「医療倫理,特に臨床倫理の範囲や考え方」「臨床倫理問題の解決のための4分割法」,医療事故を含めた「医療者の義務と事故」「グループワークやロールプレイ」などを中心とした,「患者と家族の関係,医療者間の関係も含めて,人間関係を調整する」トレーニングや,「事例検討会」で構成されており,知識だけでなく,現場で解決する能力や,対話の調整ができる病院の倫理リーダーを養成することを通して,より「質の高い医療」をめざします。
倫理の問題で難しいのは,座学,つまり知識だけでは,現場の問題を解決することは難しいということです。本講座で学んだ原理・原則とともに,現場で関係者が集まって事例の検討会をするときに必要な能力の定着までが本講座の目的です。倫理的な配慮ができるだけでなく,医学的なこと,法についても考える力をつけ,同時に対話力を有する人を,ここでは,「倫理リーダー」とよんでいます。
Copyright © 2013, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.