特集 性同一性障害とインターセックス—その人が納得の性を生きるための支援
TSの人への関わりをとおして看護の役割を考える
松岡 弘子
1
1滋賀医科大学看護学科
pp.111-116
発行日 2000年2月25日
Published Date 2000/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611902342
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はじめに
母性看護学は,性と生殖に関連する看護学である。性に関わる健康上の問題は日常生活の中でさまざまな形であらわれているが,性同一性障害もまた,性に関する問題である。だから,性同一性障害を母性看護学で取り上げることは,人間の性を統合的に考えるという点で意義のあることだと考える。
日本では,性について語ることはタブー視されてきた歴史があり,性に関して閉ざされた部分が今もある。そういう中で,自分の「性」に何らかの形で違和感を感じ,苦しんでいるのが性同一性障害である。では,その人たちはどのような問題を抱えながら生きているのか。それらを知ることは社会の一員として必要であり,また,そういった人たちと関わる機会を持つ医療従事者としても必要である。
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