特集 看護のエンパワーメント
エンパワーメントを育てる教育―継続教育の関わりから
近田 敬子
1
1兵庫県立看護大学
pp.34-37
発行日 1997年1月10日
Published Date 1997/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686900545
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10年以上の長きにわたって,私は約1年間単位の研修プログラムによる継続教育に関わってきた.その直接的な指導時間は40時間程度のものであったが,研修生にとっては概ね200時間,あるいはそれ以上の時間を使っての研究的な取り組みであったはずである.激務といわれる日常業務をこなしながらの,この研修時間の活動は,浮き沈みがあったとしても,ある程度のパワーの芽生えがない限り,持続できないと考えている.教授する研修内容はもちろんであるが,同時に研修生のパワーをどのように育みながら指導するか,そして研究的な取り組みの面白さをどのように感じてもらえるかが問われていたわけである.
当初,このセミナーに向けては,このような継続教育に関わってきた経験から「エンパワーメントを育てる教育」の要となるものを明らかにしてみたいと考えて,上記のような副題を示したのである.しかし,当セミナーにおける第2日目のラウンドテーブルディスカッションにおいては,メンバーの関心事は継続教育ではなく,ほとんどが基礎看護教育のあり様に集中していた.
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