特別論文
「高齢患者退院指導・継続看護のマニュアル」を用いた看護の継続性の検討(その1)
上原 ます子
1
,
青木 菜穂子
2
,
中村 裕美子
3
,
柳生 敏子
4
1大阪大学医学部保健学科
2スミス訪問看護ステーション
3大阪府立公衆衛生専門学校
4甲南病院
pp.56-63
発行日 1997年1月10日
Published Date 1997/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686900550
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はじめに
高齢者が入院患者に占める割合は年々多くなり,その看護・介護の課題は大きい.その中でも,退院後も住み慣れた自宅で残された機能を生かしながら,少しでも自立した生活を続けられるように,看護・介護が入院中と同様のレベルで継続して実施される必要がある.そのためには,在宅移行を円滑に進めるための医療機関のシステムや退院指導の充実,病院と地域の保健・医療・福祉機関の間の時宜を得た継続体制の確立,そして地域で提供される看護・介護が,量的にも質的にも患者・家族のニーズに適合することが求められる.
看護を継続する必要性は広く認識されている.しかし,そのための一貫したシステムの構築は,いまだ十分とはいえず,それぞれの機関や部門の努力にまかされている現状である.私たちは,「入院・退院・在宅療養における看護の継続性に関する研究」1,2)(1992-1994年)に参加し,その中で継続看護の現況と問題を明らかにするための調査を実施し,その問題を解決するための「高齢患者退院指導・継続看護のマニュアル」(以下,マニュアルとする)を作成した.その後マニュアルを継続して検討した結果を加えて報告する.
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