特集 退院時サマリーをどう書くか—看護の質と継続性を高めるために
退院時サマリーと看護添え書きを通して看護の継続性を考える
大田 すみ子
1
1北海道大学医学部付属病院
pp.627-630
発行日 1984年6月1日
Published Date 1984/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661920790
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退院時サマリーと看護添え書きの目的と内容
入院している患者の状態や看護のプロセスを知ろうとして,その看護チーム以外の人が病棟においてある記録を読みすすめてみても,看護計画表,看護記録,温度表,経過観察表に医師指示簿等……と多彩な記録に取り巻かれて,いっこうに要領がつかめない場合が多い.よい退院時サマリーに出会うと,その患者の入院前の生活状況,症病や症状の起こり方,入院中の病状の変化と治療の概略,生活援助のポイント,看護婦がその患者のどの問題に多くの関心を持ってかかわり,何が改善され何が残された医療上の課題か,鮮明に知ることができる.
退院時サマリーは,入院中の1人の患者の変化と医療者のかかわりの資料であると同時に,行われた看護(看護婦)の評価でもある.そして同じ条件にある患者看護への重要な手がかりになり,また看護研究の基礎資料として集積される.
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