連載 おとなが読む絵本——ケアする人,ケアされる人のために・163
愛することは,いつもせつなくて
柳田 邦男
pp.310-311
発行日 2020年3月10日
Published Date 2020/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686201548
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誰かを愛し,ひたむきに思いを抱くということは,なぜこうもせつないものなのか。しばしば胸が痛くなったり,涙が抑えられなくなったりさえする。ひたむきに思えば思うほど,その感情は強くなる。
その感情の高ぶりは,思春期の恋心であれ,幼い子をいとおしむ親の愛であれ,熟年期のおそい恋愛であれ,同じだろう。ただ,感情は同じであっても,現実の愛の物語のかたちは,一つひとつみな違っている。それゆえに,古今東西,愛の物語は数え切れないほど書かれてきた。
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