連載 ケアと現代・12(最終回)
ケアと愛すること
岸 良範
1
,
佐藤 俊一
2
,
平野 かよ子
3
1埼玉医科大学短期大学
2鹿児島経済大学社会福祉学科
3国立公衆衛生院公衆衛生看護学部
pp.1058-1061
発行日 1992年12月25日
Published Date 1992/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611900713
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われわれはこの連載において,ケアの現代的樣相を,人間存在のありかたの基本的視点から述べてきた。すなわち,ケアが援助者に限らず,広く人間ひとりひとりにとってのありかた—マルチン・ブーバーのことばを借りれば「他者と共存しつつある人間」—にがかわる問題であることを問うてきだといえよたに悩んだり,相互こわかりあうことができなかったり,傷つけあってしまっていることに対し,援助しあうということであった。
最終回では,ケア煮同様に対人関係の根底にある「愛すること」をテーマにとりあげた。ケアがお互いをよりその人らしくするように,われわれは愛しあうことによって、お互いを自分自身として深くかかわっていくことが可能となる。愛することが,人と人とのむすびつきの根源的事実に目をつけさせてくれることを述べて,「ケアと現代」のむすびとしたい。
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