連載 ポジティブ・マネジメントの航海術—組織変革の波を越える・4
庄原赤十字病院における「県民の森研修」の導入・2
市瀬 博基
1
1東京外国語大学
pp.924-929
発行日 2015年10月10日
Published Date 2015/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686200299
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前回の考察において,庄原赤十字病院の「県民の森研修」という新たな試みでは,そもそも新たな取り組みを支えるルールや価値観,役割分担とは「何なのか」を探り出す必要があったことが明らかになりました。このため,新たなツールへのポジティブな意味づけを共有し,抵抗や反発を和らげることがいっそう困難になることを予想していました。
今回は,「県民の森研修」の準備段階に焦点をあて,異なる立場でこの研修に関わったスタッフの方々の語りを交えながら,新たなツールを導入するプロセスにおいてルールや価値観,役割分担をどのように見出すことができたのか,そしてそれを可能にした条件は何だったのかについて考えます。前号で述べた「キャリア開発ラダー」(以下,ラダー)導入という初めての経験も踏まえながら見ていきましょう(図1)。
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