連載 病院めぐり
庄原赤十字病院
村尾 文規
1
1庄原赤十字病院
pp.1529
発行日 1999年12月10日
Published Date 1999/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409903875
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庄原市は,広島県の北部に位置し,島根,鳥取,岡山3県の県境に近い山間の町で,近郷,近在を含めた医療圏の人口は5万人にすぎない.しかし,当院の1日の平均外来患者数は800名を超え,1か月の平均手術件数も200件を超えていることからも,市民の期待のほどが窺え,中核病院としての機能を十分に果たしているといえる.
さて,当院のルーツは,大正末期に設立された私立庄原病院にまで遡ることになる.紆余曲折を経て,日本赤十字社広島県支部の求めに応じて委譲され,正式に庄原赤十字病院と呼称されることになる.原爆の被災者を受け入れたとの記録も残されており,往時を語るうえで,忘れてはならない歴史的意義を有する病院といえる.この山間の小さな町に,病院を設立した先駆者達のご苦労と気概には,ただ敬服するのみである.
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