連載 看護管理の現場を紐解く ミッションを共有し,ともに価値を創り出す組織を目指して・10
人間観の変遷とマネジメント論の変遷④「責任・貢献・成果を欲する人間」
武村 雪絵
1
1東京大学医科学研究所附属病院
pp.78-81
発行日 2015年1月10日
Published Date 2015/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686200082
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マネジメントの伝道師
12月号で予告したとおり,今回は,ピーター・F・ドラッカー(1909-2005)を紹介したい。たくさんの著書や解説書があり,最近では,岩崎夏海氏の小説『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら』1)がベストセラーになり,アニメ化,映画化されるなど,ドラッカーブームが巻き起こっていたので,何らかの形でドラッカーの思想に触れた方も多いだろう。
ドラッカーは晩年まで精力的に活動し,33冊以上を上梓し,事業部制,顧客の創造,知識労働者,ナレッジマネジメント,マーケティング,イノベーション,民営化,ベンチマーキング,コアコンピタンスなど,多くのマネジメントの概念を生み出し発展させた2,3)。看護界にもなじみが深い「目標管理」を提唱したのもドラッカーである。ビジネス界に大きな影響を与え,多くのファンをもつ「経営思想家」であり,「経営学の父」「マネジメントの権威」「ビジネス・コンサルタントの創始者」などと称される2)。三谷は,マネジメントという概念を整理し普及させた「近代マネジメントの伝道師」だと述べている3)。
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