連載 看護管理の現場を紐解く ミッションを共有し,ともに価値を創り出す組織を目指して・7
人間観の変遷とマネジメント論の変遷①—「合理的経済人としての人間」
武村 雪絵
1
1東京大学医科学研究所附属病院
pp.984-987
発行日 2014年10月10日
Published Date 2014/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686200021
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今回から数回に分けて,マネジメント論の変遷について紹介したい。この連載の第1回で書いたとおり,私は大学院時代,フィールドワークをして質的研究を行うことにしたため,質的研究とは何か,なぜこの研究手法を用いるのかをまずは自分が理解しようと,近代からポストモダンにかけての思想や哲学の変遷について読みかじったことがあった。
この経験を通じて,多様な科学観や多様なリアリティ(現実)が同時に存在することを意識するようになったが,後に看護管理学分野の教員となり,マネジメント論やリーダーシップ論を学んだとき,これらの理論も思想や哲学に呼応するかのように変遷していることを知り,ハッとした。思想・哲学のテーマの1つは人間をどのような存在と見るかであり,組織の中の「人」をどのように捉えるか,どのようにして「人」に影響を与えるかといったマネジメントの考え方にも当然ながら影響を及ぼすのだとあらためて気づかされたからである。
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