巻頭言
リハビリテーション医療の変遷と,私の変遷
足立 徹也
1
1鎌倉リハビリテーション聖テレジア病院リハビリテーション科
pp.675
発行日 2017年7月10日
Published Date 2017/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552201009
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医学部卒業後,市中病院で基礎研修を行っていた1981年,思い立ってリハビリテーション医学の道を志し,公立大学病院リハビリテーション科に入局.リハビリテーション科独自のベッドをもっている大学病院という,当時としては稀少な場に身を置き,リハビリテーションセラピストとともにマットに上がり,医師・セラピスト合同の症例検討会や,大学病院では珍しかった小児超早期療育外来,障害児学校健診,更生相談所事業にまでかかわってきた.在宅訪問も数多く行い,訪問中に車がレッカー移動されたなんていうこともあった.
その後郊外型の大規模リハビリテーション専門病院や都市型リハビリテーション専門病院での経験を経て,40歳からの16年間,600床規模の公立病院に勤務.リハビリテーション医一人部長という立場でリハビリテーション科ベッドをもって活動していたが,リハビリテーション医療を病院全体に浸透させる必要を感じ,リハビリテーション科ベッドは廃止し病院内のすべての患者さんに深くかかわる方針を明確にした.そして自分の行うべき仕事と判断して,嚥下障害診療や,栄養サポートチーム(nutrition support team;NST)の立ち上げなどを行い,主治医からの併診依頼がなくとも,リハビリテーションや嚥下,栄養の配慮が必要な全科の入院患者に積極的にかかわり,病院全体が良質な医療を実現できるようになることを志した.このことには苦労も多かったが,チーム医療の推進という後押しもあって成果が上がり,自分なりの達成感も得られていった.
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