連載 看護管理の現場を紐解く ミッションを共有し,ともに価値を創り出す組織を目指して・9
人間観の変遷とマネジメント論の変遷③—「意思決定する人間」
武村 雪絵
1
1東京大学医科学研究所附属病院
pp.1160-1163
発行日 2014年12月10日
Published Date 2014/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686200059
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人間観の変化と管理スタイルの変化
10月号に掲載したタイプ別のリーダーの図をもう一度見てみよう。
リーダー①は10月号で紹介した,科学的管理法を提唱したテイラーの労働者への関わり方をイメージしたものである。一方,リーダー②は,11月号で紹介したメイヨーの関わり方をイメージしている。どちらのリーダーも同じ作業を部下に命じているが,リーダー②の部下の方が目的意識を持って意欲的に仕事に取り組むことが想像されないだろうか。テイラーは,人間は賃金などの経済的利益を唯一の動機として,それを獲得するために行動するという「合理的・経済人モデル」に基づく管理を行った。メイヨーは,人間の社会的欲求や感情に注目し,モチベーションを高めることの重要性を訴え,「合理的・経済人モデル」から「感情的・社会人モデル」への転換を提唱し,経営学の新しい流れをつくった。
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