連載 先を読むナースマネジャーのための発想法・10
―多様性を重視していく その2―上司・部下も対等に,大いに議論すべし
坂本 すが
1
1日本看護協会
pp.969
発行日 2012年10月10日
Published Date 2012/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686102587
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前回は,看護職の組織の多様性を重視することが,患者のニーズに幅広く応えるうえで効果的とお話ししました。今回はさらに,多様性がもたらすもうひとつの利点にフォーカスしていきましょう。それは,看護管理者の目標設定に役立つということです。
看護師長にとって,毎年の悩みは「今年の組織の目標設定をどうしよう」ではないでしょうか。目標設定は,多くが「看護のエビデンスを研究する」や「看護の質向上を図る」になりがちです。しかし,これが具体的な目標といえるでしょうか? こうした目標を達成することで,看護職にとって,今まさに現場で生じている問題を解決していけるでしょうか? スタッフは現場で生じている具体的な問題を,ひとつずつ解決したいと願っています。ならば目標を設定する段階で,スタッフ全員に解決したい問題を出してもらいます。そこで出た問題に優先順位をつけて上位3つに取り組むなど,現場のニーズに即した問題解決を目標にするのです。こうすれば,はるかにはやく,効率的に組織がうまく回るようになります。
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