連載 しなやかに家族を看護するスタッフに育てよう・2
ロールプレイ研修②―家族のなかに一歩踏み込めるようになる
山崎 あけみ
1
,
副田 明美
2
1上智大学総合人間科学部看護学科基礎看護学
2大分赤十字病院
pp.804-807
発行日 2012年8月10日
Published Date 2012/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686102542
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
臨床場面
Aさんは70代の女性。2年前から特別養護老人ホームの通所介護に週2回通っている。春から尿失禁と歩行困難が顕著となり,かかりつけ医の勧めで精査を受けた。脳の委縮が多少みられ,今後のことを同居している一人息子と話したいと看護師N子は考えた。Aさんは,最近,尿で汚れた衣類のままデイケアにくることもあり,「息子は気付かないのだろうか」と不審だった。
しかしケアマネジャーに聞くと,「息子に会ったことはないが,Aさんが受診する際には,無理をしてでも休みをとって付き添う人だと聞いている」という。また,Aさんに,「息子さんは,洗濯とかしてくれるの」と聞いたところ,「元気なころは,私が家事をすべてしていたが,今は息子に頼っている。息子は,平日は早朝から夜遅くまで仕事で,日曜も休みでないこともある。近頃イライラしていて怖い」という。
Copyright © 2012, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.