特集 周術期看護を取り巻く諸問題
手術室に配属された看護師の教育体制の構築―ゆるやかな専門化と定着をめざして
屋良 千鶴子
1,2
,
小川 真由美
1
,
西澤 和子
1
,
仁藤 美穂
1
1聖路加国際病院
2日本看護協会認定看護師教育センター手術看護分野
pp.117-121
発行日 2010年2月10日
Published Date 2010/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686101673
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今こそ手術室看護師の“質と量”について議論を
2003(平成15)年にDPC(Diagnosis Procedure Combination;診断群分類別包括支払い制度)が導入されて以来,病院経営の鍵を握る手術室がターゲットセクションとなり急速に注目を浴びる存在となった。病院トップは「手術室ががんばらないと」と檄を飛ばすが,われわれの評価は手術件数や稼働率の高さでしか受けることがかなわず,現場で何をどうすれば成果に結びつくかの課題に入り込んだ議論は少ない。
病院のパフォーマンスを,1)医療の質,2)運営効率,3)コストの3点と考えると,多少強引ではあるが,その根底を支えている看護師のパフォーマンスに焦点が当てられて当然であり,特に手術室に配属されている看護師の質と量が現在の病院経営を支えているというのであれば,今こそその質と量について真剣に議論しアクションを起こす時といえよう。
今回は,手術室看護師の質を左右する教育体制と,どのような看護師が何人いれば安全で効率的な手術が実現するのかといった課題について,当院の現状も交えて考えていきたい。
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