特集 緩和ケア病棟における看護管理上の悩み
フォローアップ体制構築の環境づくり
清水 千世
1
1(財)慈山医学研究所附属坪井病院緩和ケア病棟
pp.696-698
発行日 1996年10月10日
Published Date 1996/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686900396
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
がん終末期の患者の「最期は家で過ごしたい」という気持ちに添うために始まったのが,当院のホスピスケアである.
積極的な治療が望めなくなった患者から「家に帰りたい」と言われた時,がん専門病院に働く看護婦として,「私にできることがあれば」と応対するのは自然なことであった.がん末期の在宅ケアの中に,看護婦の専門的な目と手が入ることは,患者や家族にとっては力強い手助けである.しかし,どんなに家族が頑張っても,症状が悪化したり不安が増したり,最期まで自宅で過ごすことは非常に難しい.そんな患者のために気がねなく入院できる病床が欲しかった.病院のベッドではない,病院の中にある家庭が必要なのである.
Copyright © 1996, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.