不整脈の治療は新時代に-一般臨床医が主役の新しい心房細動診療
《心房細動の治療はどうすべきか》 本当にレートコントロールは"ゆるやか"でよいか
小松 かおる
1
,
中里 祐二
1順天堂大学医学部附属順天堂医院 循環器内科
キーワード:
抗不整脈剤
,
心拍数
,
心房細動
Keyword:
Anti-Arrhythmia Agents
,
Atrial Fibrillation
,
Heart Rate
pp.38-41
発行日 2012年1月1日
Published Date 2012/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2012118543
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・心房細動治療において、洞調律維持(リズムコントロール)と心拍数調節(レートコントロール)では死亡率に有意差はなく、生命予後はほぼ同等であることが大規模臨床試験で明らかになった。・現在のガイドラインではレートコントロールは厳格なコントロールが推奨されているが、明らかなエビデンスに基づいているわけではない。・永続性心房細動患者における厳格コントロールと非厳格(ゆるやかな)コントロールを比較したRACEII試験の結果は、死亡率や心不全入院において両群間に有意差を認めなかった。・RACEII試験の結果がすべての症例に適応可能かどうかに関しては、あくまでも1つのランダム化試験の結果にすぎず、症状や合併する基礎心疾患、左心機能を含めてさらなる検討が必要と考えられる。
©Nankodo Co., Ltd., 2012