特集 新人教育担当者の支援に向けて
「新人看護職員臨床実践能力向上推進事業」に関わる教育担当者研修を実施して
横森 久美子
1
1杏林大学医学部付属病院
pp.373-376
発行日 2008年5月10日
Published Date 2008/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686101197
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はじめに
近年の保健医療を取り巻く環境が大きく変化するなか,看護職員の業務にもさまざまな変化が生じている。特に臨床現場では,医療技術の進歩,患者の高齢化・重症化,平均在院日数の短縮化などにより,看護職員の役割は複雑多様化し,その業務密度も高まっている。
また,周産期領域においては,助産師が助産業務を通して安心・安全な出産のための重要な役割を担っており,助産師の臨床実践能力の向上は,周産期領域の医療安全の確保に欠くことのできないものとなっている。
このため,新人看護師においては臨床技術の向上及び医療安全の確保を図ることを目的に,新人助産師においては資質の向上および医療安全の確保を図ることを目的に,厚生労働省(以下,厚労省)指導の下,「新人看護職員臨床実践能力向上推進事業(教育担当者研修)」および「新人助産師臨床実践能力向上推進事業(指導者研修)」(以下,本事業)が2007(平成19)年度に実施されることとなった。具体的には,新人看護職員ならびに新人助産師の教育担当者等に対し,新人看護師(助産師)研修についての臨床実務研修を実施する医療機関に対して,それに関わる費用の一部が補助されるものである。
当院は,本事業実施にあたり,新人看護師の教育担当者研修としては全国21施設,また新人助産師の指導者研修としては全国12施設中の1施設として採択され,上記の研修を実施する運びとなった。
本稿ではその経験を振り返りその成果と課題を報告する。
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