特別記事
「医療安全:看護基礎教育・臨床ジョイント研修」を実施して―医療安全教育における卒前・卒後の一貫教育をめざして 臨床からの視点
石川 雅彦
1
1国立保健医療科学院政策科学部
pp.378-381
発行日 2008年5月10日
Published Date 2008/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686101198
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
- サイト内被引用
ジョイント研修のねらい
2007(平成19)年12月,筆者の所属する国立保健医療科学院(以下,当院)にて,「医療安全:看護基礎教育・臨床ジョイント研修(以下,本研修)」を実施した。本研修のねらいのひとつは,臨床における医療安全教育の課題に対する新たな取り組みのヒントを考える機会を提供することである。臨床では,医療安全推進に向けて医療安全管理者の配置が進み,院内医療安全教育においてもさまざまな取り組みが行なわれている。しかし,日常業務を抱えながら,職員への医療安全教育を実施するにあたっては多くの課題があると,当院の他の研修受講者から聞いている。また,入職後の新人看護師の発言から,「卒前に,臨床に対応できる医療安全教育をしてほしいと感じることもあった」という話も聞かれた。
このため,臨床で医療安全教育を担当する看護師が,基礎教育における医療安全教育の現状と課題を把握し,新人看護師が卒前にどのような教育を受けてきたのかを理解することで,入職後に必要な医療安全教育を企画する際の参考にできるのではないかと考えた。一方,基礎教育においても,臨床の実践的な医療安全教育の現状を知ることは,卒前の医療安全教育の参考になると考えた。このように,教育と臨床,双方が理解を深め,医療安全教育の新たな取り組みを見出す機会として本研修を企画した。臨床側の受講者は31名,教員側は30名であった(詳細は『看護教育』第49巻5号参照)。
Copyright © 2008, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.