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病院の安全風土と,安全な業務実践および職場での曝露事故との関連
安野 朝子
1
,
菅田 勝也
1
1東京大学大学院医学系研究科・看護管理学分野
pp.566-567
発行日 2003年7月10日
Published Date 2003/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686100870
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- 文献概要
病院の職場環境において,生物学的・化学的な危険および人間工学的な因子や交替勤務などのストレスが健康に与える影響などはこれまで研究されてきたが,組織文化や風土の与える影響に関する研究は少ない。
「組織文化と風土」はリーダーシップの方法や組織の目標などによって作り出され,全ての組織に存在し,個々の仕事に影響を与えている。「安全風土」は組織文化の重要な側面で,「職員が職場環境の安全性について共有している認識の総体」とみなすことができる。安全風土の健全な組織は,そうでない組織より職場での事故が少ないことが一貫して報告されている。工場における研究では,安全風土には,管理者の関わり,安全管理担当者の地位の高さ,教育プログラム,秩序立った仕事運営,整理整頓などが含まれ,懲罰や強制に頼るより,安全な実践を多とすることが強調されている。
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