研究報告
看護師の職場環境と業務実践との関連性
渡邉 芳乃
1
,
武村 雪絵
1
,
佐々木 美奈子
2
,
菅田 勝也
2
1東京大学医学部附属病院
2東京大学大学院医学系研究科看護管理学分野
pp.653-658
発行日 2006年8月10日
Published Date 2006/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686100344
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はじめに
健全な職場環境は,患者の予後や看護師の業務に明らかに影響を与え1),情報,資源,サポート,学習と発展の機会が与えられている職場環境が,看護師の仕事の成果などに影響を与えることが報告されている2)。また,臨床の看護業務に影響を与える要因として,業務における自律性,組織の中での地位,そして協力が挙げられるが,Scottらは,看護師の離職率が低く,ケアの質の高いマグネットホスピタルの職場環境の特性として,全スタッフの病棟運営への参加や,専門職としての発展のサポートがみられたことを報告している3)。
職場環境と職務満足との関連では,組織コミットメント,管理者とのコミュニケーション,自律性,評価,同僚とのコミュニケーション,公正さ,年齢,経験年数,専門職としての気質が,職務満足に影響を与えることが報告されている4)。
このように,職場環境が,職務満足や離職に与える影響については明らかにされているが,質のよい看護の提供に与える影響についての研究は少ない。そこで,本研究では,看護師が質の高いケアを行なう行動を起こす職場環境づくりに役立てるため,看護師の職場環境と業務実践との関連性を明らかにすることを目的とした。
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