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業務遂行上の障害が看護師と患者に与える影響
佐々木 美奈子
1
,
菅田 勝也
1
1東京大学大学院医学系研究科修士課程・看護管理学分野
pp.1036-1037
発行日 2004年12月10日
Published Date 2004/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686100591
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背景
業務遂行上の障害(以下,障害とする)は,多くの組織で生じている。そして,その多くはサービスの質や遅れに影響するだけであるが,医療ミスのように重大な損害につながることもある。また,従業員の不満につながり,そのパフォーマンスにも影響する。一方,障害を認識することは,組織学習のきっかけとなり生産性の向上をもたらす改善の機会ともなる。障害が大事故につながる問題の徴候の場合もあるため,それを把握し防ぐことに焦点を当てている組織は高い信頼を維持している。しかし,障害の総コストは不明であり,組織学習の機会ととらえられていることは少ない。
看護業務は,さまざまな部門との連携によって行なわれ,障害が起きる確率が高い。しかし,医療過誤とは異なり,患者の安全に直結しないが数多く起こっている障害に対しては注意が向けられていない。そこで,看護業務に関わる障害にはどのようなものがあるか,また障害によってどのような影響が生じているかについて探ることを目的とし,病院の看護単位を対象とした研究を行なった。
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