特集 看護婦の勤務と生活の合理化
第1部 職場の能率をあげるために
Ⅰ職場環境をどう整えるか
職場環境の改善の仕方
永井 敏枝
1
1中央鉄道病院看護婦養成所
pp.20-21
発行日 1961年6月15日
Published Date 1961/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661912519
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- 文献概要
私達の環境をよくするということにはいろいろありますが,その要素として生活しやすいこと,能率的に仕事ができることということがあるでしよう。私達の生活の場,または職業の場の環境をあらためてながめてみることも決して無駄ではないでしよう。そのながめ方として,何かもつと都合よくならないものか,これでいいのかという改善の立場に立つてみることにしよう。
改善の効果はこうでありたい
(1)能率的に仕事ができる
能率ということはよくいろいろの場合に使われることばであるが,本当の意味はどんなことかまず考えてみましよう。能とは人の能力,機械の性能すなわちそのモノの固有するモチマエのことであり,率とは比率の率である。すなわちモノのモチマエの能力がどの程度に利用または活用されているか,モチマエが実現されている度合であり,そのモチマエが全部実現されている状態が能率であり,これを目的と手段との関係から考えて,この両者が互いにつり合つている状態であつて,目的より手段が大きいとムダとなり,小さいとムリとなり,ムダとムリとがあればムラが起こる。私達の能力に応じてムリやムラのできるだけ少ない状態で仕事ができることが,能率的ということです。つまり仕事や操作をするのに時間が短縮され早くできるようになることです。
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