連載 スクラブ・ナース 1年生・7
大学カリキュラム一長一短
鈴木 美穂
1
1ニューヨーク市内の大学病院
pp.1021
発行日 2005年12月10日
Published Date 2005/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686100279
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先日,久しぶりに日本に帰省し,出身大学を訪れる機会を得,改めてアメリカと日本の看護大学のカリキュラムの違いを実感した。日本では,大学院といえば修士課程でもすでに“研究”をするところという認識があるが,アメリカでは,博士課程になって初めて“研究”を行なう。また,日本では看護に限らず,どの学部学科でも卒業論文が必須のところがほとんどであるが,アメリカの大学生はほとんど卒業論文を書かない。基本的に単位履修が卒業要件だ。アメリカでは自由な発想が求められ,尊重されるというイメージがあるが,大学教育のレベルでは日本のほうがよほど自分の発想を活かす機会が与えられているような気がする。
修士課程でも学位の取得に論文が必要でない学科はたくさんある。看護学もそのひとつである。アメリカの看護学修士課程プログラムは特に,ナース・プラクティショナーの育成プログラムが主体となっているので,研究については文献レビューを中心としたグループワークを行なう科目があるのみである。
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