連載 CURIOSITY SQUARE & CIRCLE・15
[川喜田二郎さん]―SQUARE 現場の声を創造的に総合する/CIRCLE 何よりも“材料”に従うことがほんとうの権威
森 美春
1
1滋賀医科大学医学部看護学科
pp.165,230-231
発行日 2005年3月10日
Published Date 2005/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686100121
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異質なデータや情報を統合することによって創造的な発想を生み出すKJ法は,文化人類学者の川喜田二郎博士によって1951年に誕生した。1970年代より,川喜田二郎・喜美子夫妻は,「解体の時代が来るまでにKJ法を広めておかなければ」と,その普及に奔走してきた。21世紀を迎えたわが国は,まさに「解体の時代」であり,環境問題,経済問題,食品問題,医療問題などが山積し,それらの解決のために創造的発想法がますます求められているのではないだろうか。
KJ法は,もともと川喜田博士自身が,自らの調査データをまとめるにあたって生み出したものであるが,以来,産業界の注目を浴び続けてきた。当時の産業界はこぞってKJ法を導入し,新製品の開発に臨んだ。つまり,わが国の高度経済成長を知的な面から支えてきたものの一つがKJ法であるといっても過言ではないだろう。
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